2009年 09月 30日
写真の力 |
長崎に出張があったので、久しぶりに実家に帰ってきました。
先日、里帰りをした弟から、「たまには帰らんと、親不孝もんっていわれよるばい」と忠告を受けていました。言われるまでもなく、ずいぶん長い間里帰りをしていなかったので、この機会を逃してはいけないと、万難を排しての里帰りでした。
父は相変わらず小さな店の奥に座っていました。
母が他界してからというもの、父はすっかり力を落としてしまっています。最近の不景気は父の小さな店も直撃していて、経済的な困難が父の気持ちをさらに暗くしていました。これに追い打ちをかけるように、ふるさとの町も、商店街の中心にあった老舗の百貨店が閉店してからというもの、町から人通りが消えて本当に寂しいことになっていました。
そんな中で父はよく「周りの人が楽しそうにしているのを見ると、何が楽しいのか不思議になる」といいます。そして「ひとり取り残されているようだ」というのです。そんな時、息子としては「ちがうよ」といいたい気持ちを飲み込むしかありません。
私は里帰りするとき、家族の写真をお土産にもっていくことにしています。父が何より喜んでくれるからです。今回もプリントした写真をたくさんお土産にもっていきました。
父はいつものようにうれしそうに写真を見ながら、「この写真には日付が入っていないねぇ」といって、1枚づつ「これはいつ頃撮った写真なのか」と聞いて、日付を書き込んでから、また大切そうにアルバムにしまっていました。
そんな時、父がふっとつぶやくように言いました。
「写真には本当に不思議な力があるねぇ。」
「こうして写真を見ていると、人生も良いもんだと思えてくるよ」
何をしても、「早く母さんのところにいくのが一番良い」としか言ってくれなかった父が、息子の撮影した孫の写真を見ながら「人生が良いものだと思えてくる」とうれしそうに言ってくれました。本当にうれしかったです。そしてこれが写真のもっている力なのですね。
短い間でしたが、私にとっても父にとっても、とても幸せな時間を過ごした里帰りでした。
Leica M7
先日、里帰りをした弟から、「たまには帰らんと、親不孝もんっていわれよるばい」と忠告を受けていました。言われるまでもなく、ずいぶん長い間里帰りをしていなかったので、この機会を逃してはいけないと、万難を排しての里帰りでした。
父は相変わらず小さな店の奥に座っていました。
母が他界してからというもの、父はすっかり力を落としてしまっています。最近の不景気は父の小さな店も直撃していて、経済的な困難が父の気持ちをさらに暗くしていました。これに追い打ちをかけるように、ふるさとの町も、商店街の中心にあった老舗の百貨店が閉店してからというもの、町から人通りが消えて本当に寂しいことになっていました。
そんな中で父はよく「周りの人が楽しそうにしているのを見ると、何が楽しいのか不思議になる」といいます。そして「ひとり取り残されているようだ」というのです。そんな時、息子としては「ちがうよ」といいたい気持ちを飲み込むしかありません。
私は里帰りするとき、家族の写真をお土産にもっていくことにしています。父が何より喜んでくれるからです。今回もプリントした写真をたくさんお土産にもっていきました。
父はいつものようにうれしそうに写真を見ながら、「この写真には日付が入っていないねぇ」といって、1枚づつ「これはいつ頃撮った写真なのか」と聞いて、日付を書き込んでから、また大切そうにアルバムにしまっていました。
そんな時、父がふっとつぶやくように言いました。
「写真には本当に不思議な力があるねぇ。」
「こうして写真を見ていると、人生も良いもんだと思えてくるよ」
何をしても、「早く母さんのところにいくのが一番良い」としか言ってくれなかった父が、息子の撮影した孫の写真を見ながら「人生が良いものだと思えてくる」とうれしそうに言ってくれました。本当にうれしかったです。そしてこれが写真のもっている力なのですね。
短い間でしたが、私にとっても父にとっても、とても幸せな時間を過ごした里帰りでした。
Leica M7
by aka0326
| 2009-09-30 23:31
| Summilux 35 w. Eyes